最終更新日 2025-10-21
2020年の秋、唐突に思い立って家庭でコーヒーの生豆を焙煎するようになって、丸1年が経ちました。実際に1年間続けてみて、わかったことや感じたことをつらつらと書いていきます。
目次
なぜ自家焙煎を始めたか
わざわざ手間をかけて自分で焙煎する理由は、自分好みのコーヒーの味を新鮮な状態で、しかもコスパよく飲むことができるからです。
自家焙煎をはじめたきっかけは、なかなかカフェで自分好みのコーヒーの味に出会えなかった(というか、どういう風味が好みかよく理解できてなかった)ことでした。
しかもそもそもはコーヒーが苦手でした。その当時は外出先で出して頂いたコーヒーを飲んでも美味しさが分かりませんでした。しかし、それは既に酸化したコーヒーだったからということを、焙煎を通じてコーヒー豆の知識を学んで知りました。その上、そのコーヒーに味覚をごまかそうと砂糖を加えてしまって、かえって「なんだか気分が悪い」という味を覚えてしまったのです。
その後何度かコーヒーに挑戦する中で、自分はブラックの方が飲みやすいということに気づきましたが、それでもどれが好みか分からないコーヒーは、カフェで1杯飲むにはそこそこ値段がする。こんなもんかな?なんて思いながら飲むのは、なんだか勿体ない……。
そんなジレンマの最中にコロナ禍になり、巣ごもり需要がやってきました。偶々YouTubeで自家焙煎している方の動画がおすすめに出て、自家焙煎という方法を知りました。カフェという空間を求めてではなく、味を求めるなら家で試してみたらいいんじゃないか?と勢いで始めてみて実感しましたが、自分や家族友人と嗜む程度であれば、意外とそこまでハードルは高くないと感じました。プロのような安定的な味が出せずとも、変化を味わえば狙い通りにならずとも楽しいものです。

自家焙煎 メリット5つ
①1杯分のコストを下げられる
ラテマネーなんて言葉もありますが、カフェで頂く1杯はコストが高いです。それに見合う空間を作りこんだり、プラスαのサービスを提供しているからですね。
カフェでなくても焙煎された状態の豆や粉でも、プロの手間や人件費、自分の手元に来るまでの仲介手数料などがかかっているものですが、生豆で買うとだいたい焙煎豆の3分の1くらいで済みます。
②長く保存できる
生豆の状態は、かなり長期保存ができます。焙煎豆の場合は1ヶ月から2週間程度の持ちですが、生豆は湿度、温度、日光などの保存環境にもよりますが、年単位で持ちます。それを自分の日頃の飲む量に合わせて、好きな時に焙煎すれば、新鮮なコーヒーが飲めます。
③欠点豆を自分で取り除ける
コーヒー豆には、虫食いによってカビが発生した豆や成熟していない豆などの欠点豆が紛れています。この欠点豆は雑味やエグミの原因になるのでピッキングという作業があるのですが、機械では難しい作業のため人の手によって行われますが、欠点豆を完全に取り除くというのは困難です。コストもかかります。
カフェの1杯も大量生産されているコーヒー粉も、どの程度の欠点豆が混入してたか知る由はありません。あまり何でも疑ってかかると楽しみも選択肢も減ってしまいますが、カビ豆には発がん性物質が含まれているので、それをある程度自分で確認してリスクを下げられるのは、健康のためになります。
④様々な焙煎度合いで好みを探せる
浅煎りから深煎りまでその都度自由に試すことができるので、同じ豆でも違ったポテンシャルを引き出して、違いを楽しむことができます。コーヒー豆がいかに「値段=味」ではないかもよくわかります。
また、そういったコーヒー豆の幅広い知識を焙煎する過程で覚えていくと勉強になりますし、自分の好みがしっかり分かってきます。焙煎して失敗してもそこから得るものも多いです。
「カフェで豆選びに失敗した1杯」<「自分で焙煎して失敗した1杯」です。
⑤雑念が消える
欠点豆のハンドピックや焙煎中はそこに一点集中しているので、雑念が消えて案外充実した時間になります。
自家焙煎 デメリット(注意点)3つ
①手間がかかる
欠点豆を取り除くハンドピックは、自分の目で一粒一粒チェックするので時間は多少かかります。
焙煎も1回あたり15分くらいはかかります。家庭で焙煎するには1回の豆の量も限られますので、日頃たくさんコーヒーを飲まれる方はこまめに焙煎する必要があるかもしれません。
②家族や同居人が嫌がるかも
焙煎には「匂い・煙・薄皮の掃除」という注意すべきことがあります。
まず室内で焙煎する場合は、部屋の中がコーヒーの匂いで充満します。ベランダや庭で焙煎する場合もご近所迷惑にならないよう注意が必要です。
また焙煎の後半になると煙が出ます。室内でやる場合は報知器に気を付けて、換気扇の下で行うことをおすすめします。
そして焙煎した豆は、表面に漂着していた薄皮が剥がれた状態になります。薄皮はたくさん出ますし、焙煎後に豆を冷ます時に、風で飛び散ったりすると室内は掃除が大変です。私は換気扇の下で焙煎を終えたら、シンクの上で鍋からザルに移して豆を冷ますようにしています。
以上のことを十分気を付けて、周囲の方の理解を得てから行うようにしましょう。
③最初から安定した味は出せない
これは焙煎でなくても、ハンドドリップなども同じことが言えますが、最初のうちは上手くいったり失敗したりの繰り返しです。いきなり最高の味、好みの味は出せません。
ですが、試行錯誤を繰り返すうちにだんだんとコツが掴めるようになると、美味しい焙煎具合にどんどん近づきますし、1杯の喜びも大きくなります。その過程を楽しめる方にはおすすめしたいです。
ちなみに私は、スマホでAndroidアプリを使って焙煎の記録を残すようにしています。いずれおすすめのアプリとして紹介します。
おすすめの焙煎動画
最後に、私が一番最初に焙煎の方法を学んだ動画をご紹介します。煎りたてハマ珈琲の濱さんが、片手鍋とカセットコンロでの焙煎の仕方について、実演しながら詳しく教えて下さる動画です。興味がある方は、ぜひご覧ください。
結論
自己満足の世界だけど、間違いなくコーヒーの奥深さに触れて、普段飲むコーヒーへの意識も変わるから、やってみて損はない。
といったところが、自家焙煎をやってみて感じた内容でした。
焙煎をする上で留意点もありますが、それらを差し引いても自家焙煎には恩恵があると感じます。「自分なりの美味しい1杯を目指してみたい」という方には、ぜひ自家焙煎を試していただきたいと思っています。
こうして自家焙煎をするようになって、時々「いつか焙煎したコーヒーを飲ませて」という声を頂きます。自分の試行錯誤を気にしてくださる方がいること、期待してくれていることに、非常に嬉しい気持ちでいっぱいです。焙煎は多少手間がかかることですが、おかげさまでやる気に繋がります。
また逆に「自分もやってみたい」とは言うけど、いつまでもやってみようとしない人もいます。しかも、私よりもコーヒーが好きという人が多い。私からすれば、すぐ始めればいいのに……と思います。
「変な味になったら?」という不安はあるかと思います。まぁ、それはそれで楽しみましょう。最高の味を出すのは当然難しいですが、ネットで多くの方が出している焙煎方法を真似していけば、最低の味もよほど出ないと思います。
「高い道具を揃えても続かなかったら…」という疑念もあるかもしれません。でもちゃんとしたテクニックを習得する前から、高い道具を揃えようなんてハードルを上げる必要はありません。やってみて続けられそうなら、そこから徐々に道具にこだわって揃えていけばいいだけです。
焙煎道具はカセットコンロ、100円ショップの片手鍋があれば、ほとんどクリアしたも同然です。案ずるよりも生むが易し。やってみたいと思ったらぜひこの冬一度試してみてください。

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